コラム
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アレルギー性疾患の一つである花粉症は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状を引き起こします。これらの症状は私生活に支障をきたすことがあり、医療機関の受診を検討される方は少なくありません。その中で、「花粉症は何科を受診したらいい?」「どのような検査を行うの?」「治療方法は?」と悩む声も聞かれます。こちらでは、花粉症を診療している主な診療科、検査方法、治療方法などについてご紹介いたします。田園調布エリアで内科などをお探しの際はぜひ参考にしてください。
花粉症は、花粉が原因で引き起こされるアレルギー性疾患です。アレルゲンとなる花粉が目や鼻から体内に入ると、免疫系が異物と認識して過剰に反応することで、くしゃみや鼻水などの症状が現れます。花粉には様々な種類があり、スギ、ヒノキ、シラカンバ、イネ、ブタクサなどがよく知られています。
花粉症は風邪と間違われることも多いですが、様々な違いがあります。「もしかして花粉症かも?」と思ったときは、医療機関での検査・治療も検討してみましょう。
花粉症で受診できる主な診療科には、内科や耳鼻科、眼科などが挙げられます。
一般的に15歳以上を対象とする診療科です。外科的な治療を必要としない病気のほとんどを診療しており、花粉症でも受診できます。花粉症の原因となるアレルゲンを特定し、症状に合わせた薬を処方します。また、生活習慣や環境改善に関するアドバイスなども受けられます。
耳鼻科は、耳・鼻・喉の専門的な診療を行います。花粉症の主な症状である、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状が特に気になる場合、耳鼻科を受診するのもおすすめです。鼻鏡検査を行い、鼻腔の状態を確認したり、鼻洗浄を行ったりすることもあります。
眼科は、目の病気を専門的に診る診療科です。目のかゆみ、充血、流涙などの症状がつらい場合は、眼科を受診しましょう。点眼薬や洗眼液が処方され、コンタクトレンズ装用者向けのアドバイスなども受けることができます。
子どもの花粉症は小児科を受診するのがおすすめです。こどもと大人では薬の選び方や量などが異なるケースも少なくありません。かかりつけの小児科がある場合は、まずそこに相談しましょう。
症状が長引いていたり、重度の症状が出ていたりする場合、アレルギー科の受診を検討しましょう。花粉症をはじめ、様々なアレルギー性疾患の診療を行っており、より専門的な治療を受けられます。
なお、上記は一般的な目安であり、個々の症状や状態などによって適切な診療科が異なる場合があります。受診前に、かかりつけ医や医療機関に相談することをおすすめします。
代表的な検査方法には以下のようなものがあります。
採血した血液に36種類のアレルゲンを反応させ、IgE抗体の値を測定する検査です。高値の場合は、その種類のアレルゲンに対するアレルギーの可能性が高いことを示します。
血液中のIgE抗体の量を測定します。特定のアレルゲンに対する値が高ければ、そのアレルゲンにアレルギーがある可能性が高くなります。
血液検査は、アレルギー症状の原因特定に有効です。検査結果を踏まえ、適切な治療方法を選択できます。
皮膚反応検査は、特定のアレルゲンに対する体の反応を確認する検査方法です。前腕の皮膚に複数種類のアレルゲン液を投与し、15~20分後に皮膚の反応の大きさを測定します。この検査で陽性反応が出た場合、そのアレルゲンに対してアレルギー体質があると判断されます。アナフィラキシーのリスクを考慮し、事前に問診が行われます。また、検査前後で血圧測定や症状のチェックが入ります。アレルギー症状が強い方は検査が難しい場合もあります。
抗ヒスタミン剤は、アレルギー症状の主因である「ヒスタミン」の働きを抑える薬剤です。花粉症の主な症状である鼻づまり、くしゃみ、鼻水に作用します。
代表的な抗ヒスタミン剤には、以下のような種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
第1世代 | 眠気などの副作用が強い |
第2世代 | 副作用が少ない |
注射剤 | 速効性があり重症時に使用 |
第1世代の抗ヒスタミン剤は、眠気やふらつきなどの副作用が強いため、現在では第2世代の抗ヒスタミン剤が主に処方されています。重症の場合は注射剤も使用されることがあります。抗ヒスタミン剤は対症療法なので、症状が落ち着けば休薬できますが、アレルギー反応を根本的に抑えるものではありません。そのため、アレルゲン免疫療法などの原因療法と併用することが望ましいです。
花粉症の治療薬の一つに、抗アレルギー剤があります。例えば、ケミカルメディエーター受容体拮抗薬は、アレルギー反応を抑える作用があります。代表的な薬剤はプランルカスト、プラノプロフェンなどです。ロイコトリエン受容体拮抗薬はロイコトリエンの働きを抑え、気管支の収縮を防ぐ作用があります。代表的な薬剤はモンテルカストナトリウムなどです。これらの薬剤は、花粉症の主な症状である鼻づまり、くしゃみ、鼻水などに効果的に働きます。
点鼻ステロイド剤は、鼻腔内に吸入することで直接アレルギー反応を抑える薬剤です。鼻づまりや鼻水への効果が高いとされます。主な点鼻ステロイド剤には、ベクロメタゾン、フルチカゾン、モメタゾン、ブデソニドなどがあります。点鼻ステロイド剤は、症状改善に高い効果が期待できる一方で、正しい使用方法を守らないと副作用が出る場合もあります。医師の指導のもと、適切に使用することが大切です。
アレルゲン免疫療法は、花粉症の原因となるアレルゲンを少量から体内に投与し、免疫機能を調節することで症状の改善を図る治療方法です。
舌下免疫療法は、アレルゲンを含む薬剤を舌の下に置き、徐々に免疫応答を低下させる治療方法です。通常、花粉飛散の1~3ヶ月前から開始し、毎日継続的に実施します。
治療の流れは以下のとおりです。
主なメリットは以下のとおりです。
一方、以下のような注意点もあります。
初期投与時は医療機関で経過観察が必要ですが、その後は自己管理が可能です。医師の指示に従い、正しい方法で治療を継続することが重要です。
原因となるアレルゲンを少量から注射し、体をアレルゲンに慣れさせていく治療方法です。目的は、アレルゲンに対する過剰な反応を抑え、症状を緩和することにあります。基本的に週1回のペースで通院が必要です。治療開始時は極めて少量のアレルゲン溶液を皮下に注射し、徐々に量を増やします。症状の改善が見られるまでに3~5年を要する場合もあります。治療期間が長期に及ぶため、副作用のリスクや通院の負担を考慮し、医師とよく相談のうえ治療法を選択することが重要です。
薬物療法やアレルゲン免疫療法でも症状が十分に改善されない場合、手術が選択肢に挙がります。
鼻腔内にある下甲介と呼ばれる粘膜を一部切除する手術です。下鼻甲介は花粉などのアレルゲンが付着しやすい部位なので、切除することで症状が改善することがあります。
鼻腔や副鼻腔の粘膜を切除する手術です。副鼻腔の炎症を取り除き、鼻閉を改善させることができます。
いずれの手術も全身麻酔が必要で、入院が伴います。術後は安静が求められ、重大な合併症のリスクもあるため、十分な説明と同意が必要不可欠です。
田園調布エリアで内科の受診をご検討の際は、たかはし内科クリニック自由が丘をご利用ください。患者様一人ひとりに寄り添いながら、「自分らしい生き方」を一緒に考えてまいります。様々な体の不調に関するご相談に対応しております。「何科を受診したらいいかわからない…」といった場合も、お気軽にお問い合わせください。
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