コラム
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医療機関や健康診断で、「高血圧」と指摘されるケースは男女ともに増加傾向です。高血圧は自覚症状がほとんどないため、特に症状を感じることなく日常生活を送る方も少なくありません。しかし、「サイレントキラー」と呼ばれるように、放置していると重大な合併症を引き起こすリスクが高まってしまいます。こちらでは、その高血圧について解説します。田園調布エリアで内科の予約を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
高血圧は、慢性的に血圧の高い状態が続いている病気のことです。通常、自覚症状がほとんど出ないことが特徴として挙げられます。頭痛・めまい・動悸・肩こり・耳なりなどが現れる方もいらっしゃいますが、これらの症状は高血圧以外の病気でも見られるものです。そのため、「何となく具合が悪い」と感じる程度で放置されやすく、高血圧と気づかれにくいのが実情です。このように、自覚症状がない高血圧は、定期的な健康診断や医療機関の受診で早期発見・治療につなげることが大切です。
そもそも血圧には、最高血圧と最低血圧があります。最高血圧とは、心臓が収縮したときに血管内に加わる圧力を指します。一方、最低血圧は心臓が拡張したときの血管内の圧力です。血圧は通常、「最高血圧/最低血圧」の形式で表記されます。例えば、「130/80mmHg」と書かれていれば、最高血圧が130mmHg、最低血圧が80mmHgであることを意味します。年齢を重ねるにつれて血管は硬くなり、血液の通り道が狭くなることから、血圧は加齢とともに上昇する傾向です。そして、高血圧が続くと血管の内壁が傷つき、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な病気を引き起こす原因になります。そのため、定期的な血圧測定が重要です。
高血圧かどうかを判断する基準は、収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)の組み合わせで定められています。
血圧区分 | 収縮期血圧(最高血圧) | 拡張期血圧(最低血圧) |
---|---|---|
正常血圧 | 120mmHg未満 | 80mmHg未満 |
正常高値血圧 | 120~129mmHg | 80mmHg未満 |
高値血圧 | 130~139mmHg | 80~89mmHg |
I度高血圧 | 140~159mmHg | 90~99mmHg |
II度高血圧 | 160~179mmHg | 100~109mmHg |
III度高血圧 | 180mmHg以上 | 110mmHg以上 |
一般的に最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。ただし、1回の測定値だけでなく、日々の変動を考慮したうえで、複数回の測定結果から総合的に判断する必要があります。
高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧があり、それぞれ原因に違いがあります。
本態性高血圧の原因の一つとして、生活習慣が大きく関与しています。食生活面では、塩分の過剰摂取が高血圧のリスクを高めます。特に加工食品や外食には多くの隠れ塩分が含まれているため、注意が必要です。運動不足や肥満も高血圧の原因となります。適度な運動を心がけ、適正体重を維持することが大切です。さらに、飲酒と喫煙も血圧を上昇させるリスク因子です。節酒と禁煙が高血圧予防に効果的です。
遺伝的な要因も関係しています。家族に高血圧の人が多いなどの場合、高血圧になりやすいと考えられます。ただし、遺伝的素因があっても、生活習慣を改善することで高血圧のリスクを下げられます。遺伝の要素と環境要因の両者を意識した予防対策が重要です。
日常生活におけるストレスが長期化すると、交感神経が過剰に活性化されます。この状態が続くと血管が収縮し、血圧が上昇するおそれがあるのです。精神的なストレスだけでなく、身体的ストレスも影響を及ぼします。ストレスを適切に解消することで、予防や改善が期待できます。ストレス解消法としては以下のようなものが挙げられます。
ストレス解消法 | 具体例 |
---|---|
リラクゼーション | 瞑想、ヨガ、ストレッチなど |
趣味や娯楽 | 読書、音楽鑑賞、園芸など |
運動 | 散歩、ジョギング、水泳など |
社会的交流 | 家族や友人と過ごす時間を作る |
本態性高血圧とは異なり、二次性高血圧は腎臓病・内分泌疾患・睡眠時無呼吸症候群など、特定の病気が原因で起こる症状です。例えば、腎臓から分泌されるレニンの過剰産生により、血圧の上昇が引き起こされます。代表的な腎臓病は糸球体腎炎や腎動脈狭窄症などです。また、内分泌疾患には、原発性アルドステロン症・褐色細胞腫・クッシング症候群などがあります。
さらに、睡眠時無呼吸症候群も高血圧のリスク因子です。無呼吸により一時的に低酸素状態となり、交感神経が過剰に活性化されることで、血圧が上昇すると考えられています。
高血圧を放置しておくと、重大な合併症を引き起こすリスクがあります。主な合併症は以下のとおりです。
脳の血管が破裂したり(くも膜下出血)、血栓ができて詰まったりすることで、脳に損傷が生じます。後遺症には、言語障害や半身不随などがあります。
心臓の冠動脈が血栓によって詰まり、血液が届かなくなることで心筋が壊死する状態です。命にかかわる重大な病気であり、強い胸の痛みや圧迫感などの症状が現れます。
心臓のポンプ機能が低下し、全身への血液供給が不足する状態です。息切れやむくみなどの症状が現れます。
腎臓の細小血管が損傷を受け、徐々に機能が低下します。最悪の場合、人工透析が必要になるおそれがあります。
高血圧は脳卒中だけでなく、認知症のリスクの一つとされます。脳卒中などにより脳の細小血管が損傷を受けることで、認知機能の低下を招くと考えられているのです。
このように、高血圧は早期発見と早期治療が重要となります。
高血圧症は自覚症状がないことが多いため、日頃から血圧を測定して自分の血圧値を把握しておくことが大切です。家庭での血圧測定は、次のような利点があります。
家庭での血圧測定を習慣化することで、自分自身の血圧の変化に気づき、適切な対策を立てることができます。
白衣高血圧とは、医療機関で血圧測定を行うと高い値を示すものの、家庭で測定すると正常な値を示す状態のことです。「白衣現象」ともいわれ、医師や看護師など白衣を着用した医療従事者の姿を目にした際に、緊張して血圧が上昇してしまうことが原因と考えられます。一方、仮面高血圧は逆のパターンで、医療機関では正常値を示すものの、家庭で測定すると高い値を示す状態を指します。このように、医療機関と家庭で血圧値が異なる場合があるため、血圧測定の習慣化は重要なポイントといえます。
高血圧をはじめとする生活習慣病は、普段の生活と密接に関連しています。そのため、予防・改善を図るにあたって、減塩や適度な運動、禁煙、節酒、適正体重の維持など、生活習慣の見直しが重要です。それに加えて、医療機関で治療を受けることも必要になります。治療方法は一人ひとり異なるため、医師に相談のうえ、継続的な治療に取り組みましょう。
たかはし内科クリニック自由が丘は、患者様の「自分らしい生き方」を一緒に考えるクリニックです。生活状況や趣味、嗜好などを細かく確認し、「これならできる」という生活習慣指導で無理のない体のケアをお手伝いいたします。また、薬物治療によるサポートも行います。オンライン診療にも対応しておりますので、ぜひご予約ください。
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